小学校の高学年頃から、友達と映画館に行くようになりました。
 地元から電車で20分位の、千葉駅周辺の映画館です。
  まあ、まだ小学生なので、ホラーとか、SFとか、
そういうものに惹かれるわけです(笑)。

「バーニング」

  80年代初頭は、「13日の金曜日」が公開された後で、
いわゆるスラッシャー映画の全盛でした。
 そんな中、当時千葉で一番大きい映画館、京成ローザで観たのが、
「バーニング」でした。

  キャンプ場の管理人の男が、若者の悪戯で全身に大火傷を負う。
 病院を退院した男は、巨大なハサミを手に、キャンプ場に集う若者たちを血祭りに!!
  殺人鬼バンボロがハサミを振り上げたシルエット。
 このビジュアルが秀逸でしたね。

  同時期、千葉京成という映画館で、
「13日の金曜日PART2」と「血のバレンタイン」の二本立てが上映していました。 
 どっちに行こうか迷ったんだけど、
こっちは怖すぎて行けなかったんですよ。
 何が怖いって、その映画館まで行くのが怖かったんです!

  京成ローザは、2階か3階。外から広い階段を上っていく。
 天窓から日も差して、明るいわけです。
 一方、千葉京成(その隣も京成サンセットという映画館)は、地下なんです(笑)。
 地下鉄の出入り口のように、狭い階段を降りて行く…。
 上から覗くと真っ暗で、怖くて降りて行けなかったー(笑)。

 というわけで、「バーニング」を観たんですが、
映画館はガラガラで、友達と二人、真ん中の前の方で観ました。
 怖かったー!! その一言です。
 スラッシャー映画の定石通りの演出に、
 小学生の僕たちは飛び上がり、絶叫しました(笑)。

  その数年後、「ゴールデン洋画劇場」、次週の予告。
 当時は、TVでの映画の放送がすごい楽しみだったんですが、
本編終了後の次週予告も、何をやるのかと注目してたんです。

 暗い階段を一歩一歩ゆっくり登っていく足のクローズアップ。
 それに重なる、不気味なナレーション。
 あ! まさか!
 ハサミを振り上げる男のシルエット。
 「バーニング」だ!! 
 この時の感動は今でも覚えています。
 正直、翌週の放送を観た時の印象は覚えてないんです(笑)。録画はもちろんしました。

 後年、当時のビデオをDVDにダビングする際、久々観ました。
 う~ん…。イマイチだったんでしょうか?
 結局ダビングはしなかったです(笑)。ただ、
 野球のボールが森の中に入り、それを女の子が探している…、次の瞬間!
 重低音の♪と共に、不気味に光るハサミが開く。
 このワンカットが、ものすごく怖かったのを覚えています。

 さて、劇場公開から、30年以上経ったでしょうか。
 遂に、Blue-rayが発売されました!
 当然予約し、ワクワクドキドキしながら届く日を待ちました。
 そして! 十何年かぶりに再び観ることになりました!

 う~~~ん…。
 作品同様、僕自身も年をとります。
 大人になると…、そうなるのかなー?
 怖くはねーし、何より、面白くない!
 なんか…哀しいわ(笑)。

 冒頭で、管理人の顔が普通に出てるでしょ。柔和で人の好さそうな。
 あれは、隠した方が良かったよなー。
 バンボロの元の顔が、ああだったと思うと…。怖さが半減。
 もっと生来凶悪なキャラでいい、つーかさー。
 結局、なんか気の毒だもん、この管理人(笑)。

 でも、あの筏の殺戮シーンの凄絶さと、
あの♪テーマ曲もどこか切なく、やるせない。
 当時の体験と併せて、今でも心に残っている作品です。

「アメリカン・バイオレンス」

 この時、「バーニング」と同時上映だったのがこの映画です。
 内容はタイトル通りのドキュメンタリーです。
 当時は、ほとんど内容は把握してなかったと思うのですが、
観終わった後、すごい殺伐とした嫌ーな気分になったのを覚えています。
 アメリカって怖いなー、みたいな(笑)。
 どちらが先に上映だったか忘れましたが、
ある意味、「バーニング」より印象に残りました(笑)。

 そして、何十年か経った後、
この作品をふと思い出し、観たいなーと思って、ビデオを落札して観ました。
 これは貴重だよ、すげえ!

 以前、「マーダー・ケースブック」という、
シリアルキラーや、その事件を取り上げた雑誌が刊行されていましたが、
この映画は、まさに、動く「マーダー・ケースブック」!
 有名なシリアルキラーが、次々に登場します。

 それぞれのシーンは短いのですが、その事件の概要は本で知っていたため、
こいつがあの…、と、何とも言えない気分になりました。
  なにより本物は堪えます。
 当時のニュース映像が生々しい!
 その連続なので、神経がヘトヘトにすり減ります。

 ラストに取り上げられたのが、ジョン・レノンの暗殺事件。
 N.Y.のセントラルパークに追悼で集まった、何万もの人々を映します。
 ここで、この映画のラスト・メッセージともいうべき、
決意を表するようなナレーションが重なります。

 「人はいつの世も 愛と平和と幸福を願っているのに
 人の世には いつもむごい血と悲痛な涙がくり返し流される
 しかし 我々は負けない
 そして 我々は生きてゆく
 力強く
 共に手を取って
 共に勇気をもって」

 そして、♪イマジンが静かに流れます。
 涙にくれる人々の表情を映した後、
風にたなびくアメリカ国旗のストップモーションで、映画は終わります。

 なんか…、感動しましたね(笑)。
 制作の狙いとしては、いわゆるキワモノ系に属するものかもしれませんが。
 大人になって観終わった今、
 平和に、慎ましく生きていこう、としみじみそう思いました(笑)。



 

 

 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
  

 

 
 

著者

たねってぃ

1970年生まれ 千葉県在住

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です